備忘録、的なもの

本との日常 購入日記その他

2024-01-01から1年間の記事一覧

日本近代文学館の新収蔵資料展

先日、日本近代文学館へ行ってきた。ちょうど新収蔵資料展というのをやっていた。新収蔵資料展 - 日本近代文学館 (bungakukan.or.jp) 昨年の新収蔵資料のうちからの展示で、色々と興味深いものがあった。坂上弘の原稿、長田弘の「世界は一冊の本」の原稿や、…

遠藤周作「深い河」特装版

ヤフオクに出ていたのと、ネット検索してあまり引っかかってこなかったので載せてみる。 限定300部刊行。装い帙入り。クロース装。天・小口・地のすべて三方金という豪華さ。外箱、刊行案内揃って完本となるのかな。 奥付を見てみると非売品とあり、文化勲章…

愛書狂と古本マニアについて 2/2

かなり昔に購入した「愛書狂」を今さら持ち出したというのも、先日とある古本屋を訪れたところ、岡崎武志「古本大全」(ちくま文庫)、「昨日も今日も古本散歩」(盛林堂書房)を見かけたからであった。あまり古本者の本はこれまで買ってこなかったのであるが、…

愛書狂と古本マニアについて 1/2

生田耕作編・訳 愛書狂 白水社 限定250部 野中ユリ装丁この本の存在について知ったのは昔々、大学時代に遡る。当時、新宿御苑裏にある四谷図書館へ勉強場所としてたまに通っていた。ビルの7階にあるという変わった図書館なのであるが、勉強・読書スペースが…

ポーの大鴉と訳文三種について

大鴉 エドガー・アラン・ポー作 日夏耿之介訳 野田書房刊 1935年130部限定 高橋啓介「限定本彷徨」でも取り上げられていたものがようやく手に入った。うーむ素晴らしい。 大鴉の透かし入り とはいえ、さっそく読んでみたものの、擬古文調の訳文で非常にとっ…

湯川書房の本について

今日、ヤフオクで落札したとある限定本が届いた。ぱっと見た感じは和紙装のかちっとした装丁の本であり素晴らしい。仕事が終わってからのんびり見てみようと思う。 というところで、ふと自分が蒐集している目ぼしい限定本版元がどこだろうと思い、戦前であれ…

王朝小説集 恋路

昭和31年3月31日初版 河出書房 収録 寝覚/恋路/扇 耳付きカバーの装丁であり、美品は中々見つからない。私の所有のものも背が欠けているうえ、耳が切れている。 装丁者名の記載はないが同時期に同じ版元から出た福永武彦の「愛の試み」と対ともとれる印象は…

自鳴鍾

昭和33年1月30日 初版 新潮社刊 装丁 加藤栄三 書き下ろし長編。 家庭生活に飽きた主人公、夫が自分に振り向いてくれないがゆえに若者を誘惑する妻、純潔な心をもつ童貞、進歩的な考えを持つがゆえに現実世界から浮き気味の社会学者、財界のフィクサー等が一…

2023年の蒐書総括(4/4) 今年の展望その他

ということで、昨年は色々と知見や蒐集方法が広がったことで、ある意味飛躍的になった一年でした。中村真一郎本の蒐集も進み、持っていないものは限定本も含めても後数冊程度となりました。福永武彦や堀辰雄、三島由紀夫についても相当珍しいところや超限定…

2023年の蒐書総括(3/4) ヤフオクの活用について

③色々と本を集め周辺知識について調べたり聞いたりしていくうちに、大体の相場や本の珍しさ、署名の真贋についての判断がしやすくなり、それなら手を出して大丈夫だ、もしくはやめるかといった判断が出来やすくなりました。 ヤフオクでは写真と説明文が全て…

2023年の蒐書総括(2/4) 古書目録について

②について。これまでは足で稼ぐ、いわゆる古書店や古書展へ直接行って買うということをメインにしていましたが、実は目録販売しかしていない本屋があったり、店売りをしていても目録販売の方にまずは自慢の逸品を載せているらしい、ということにようやく気付…

2023年の蒐書総括(1/4) 運について

2023年は本の蒐集という点では非常に飛躍した一年でした。いや、 飛躍というのをどういう理解としてのということはありますが。 ここ一年ちょっとで買うものの傾向が変わってきました。 というのも、初版・ 初刊本に対する憧憬が増した影響がありそうです。 …

死の遍歴

1970年初版刊行。文藝春秋社。 小さな序章/死の偶然/死の純粋/死の混乱/死の襲来/ 死の和解/小さな終曲からなる。文学界連載。 第一章は妻の友人の死、第二章は友人の死、第三章は妻の死、 第四章は自分の死(への誘惑)、第五章は再び友人の死。 何と…