備忘録、的なもの

本との日常 購入日記その他

遠藤周作「深い河」特装版

ヤフオクに出ていたのと、ネット検索してあまり引っかかってこなかったので載せてみる。

 

限定300部刊行。装い帙入り。クロース装。天・小口・地のすべて三方金という豪華さ。外箱、刊行案内揃って完本となるのかな。

奥付を見てみると非売品とあり、文化勲章受賞時の記念に作られたものらしい。当時余剰分を市販していたかは不明。
私もこれを入手した時に初めて存在を知り、以降もごくたまに見かける。

刊行案内状に「ガンジス河の夕焼けをイメージした」とあるが、実際に手に取って見てみると、この朱色はとてもきれいである。装幀は菊地信義


内容は言わずもがな。遠藤周作晩年の作ということもあり、集大成の内容である。登場人物たちもそれぞれおなじみの遠藤周作の分身たち(病院運動、テレーズ、九官鳥、戦争、キリスト者、疎外感 etc)であり、若いころからのイメージ・問題の追及を晩年まで続けていたことがよくわかる。

 

遠藤周作の特装本には他にも「イエスの生涯」や「侍」がある。限定本としては「堀辰雄論」と成瀬書房の「アデンまで」があるらしい。
「侍」には限定本として市販されたものの他に、長男の結婚式の際に配り物として作成したものがあり、こちらもたまに出回っている。限定350部。