備忘録、的なもの

本との日常 購入日記その他

2022.1.3 古本脳の一日

①終着駅 結城昌治 講談社文芸文庫
②私の好きな孤独 長田弘 潮出版社
③対話の達人、遠藤周作Ⅱ 女子パウロ
④花衣 上田三四二 講談社文芸文庫
⑤世界文学の玉手箱14 ピーター・パン バリー 河出書房新社 
⑥過ぎ行く人たち 高橋たか子 女子パウロ
⑦泡鳴五部作上 岩野泡鳴 新潮文庫
⑧水晶内制度 笙野頼子 新潮社
⑨新潮日本文学アルバム 有島武郎 新潮社
シェイクスピア物語 ラム 新潮文庫
婦系図前編 泉鏡花 新潮文庫
⑫城砦 クローニン 新潮文庫
⑬スミヤキストQの冒険 倉橋由美子 講談社
⑭大洪水の後で 井口時男 深夜叢書社


年末年始当直の憂き目に遭ったため、ブックオフ新春セールに参加することができず悶々とした二日間を送ったのであった。3日はようやく予定なしになったため、丸一日使えるなら何か変わったことでもやりたいなあと思ってしまったのであった(それが後悔の始まりでもあったのであるが)。


普段は駐車場があるブックオフしか行けないけれど、どうせなら電車でしか行けないところに行こう。それなら一日乗車券があるじゃないか、というその日の朝の思い付きで即実行となった(アホだな)。
池袋に着いて切符売り場を見てみると、JRのみが760円、JRと東京メトロ兼用が1600円であった。どうせおそらくそこまで使い倒せないだろうということでJRのみのものを購入。東京都区内のみなので、北は赤羽・浮間舟渡、西は西荻窪、東は小岩・金町・葛西臨海公園、南は蒲田・西大井までという範囲である。結構広い。これまであまり南・東側には行ったことがないため、よい機会である。
最終的に実家に戻らなければいけないため、池袋を起点としたが、あとで戻ってこれる池袋店は後回しにし、山手線内回りに乗って、高田馬場へまず向かった。

 

1店舗目 高田馬場北店
もともと南にも店舗はあったのであるが、今は北だけになってしまった。早稲田に近いからかどうかはわからないが、他の店舗と比べて古書に対しての扱いがよい(周辺の江古田、東中野、中野を含めた4店舗ともに)。
入り口付近に文庫コーナーがあり、店舗右奥の古書コーナーはかわらず健在。高いものもあれば、安価のものもあふれている。しかし今の自分には特に目を引くものはなく、早々に出た。一軒目だしね。

 

2店舗目 新宿駅西口店
高田馬場から南に行き、そこからどちらへ向かうか迷う。西に行って東中野・中野・荻窪を攻めてもいいし、東に行ってもよい。久々に錦糸町・亀戸に行きたいなというのはあったので、いずれにせよ新宿で乗り換えであるから一度外に降りることにした。ブックオフへは京王乗り換え口から出て京王モールを通ると一番早い。
そういえば新宿も駅の反対側にもう一店舗あったのであった。紀伊国屋書店のすぐそばである。もともと西口店にはCDの在庫はなく、東口店に行くしかなかったのであるが、閉店した今は西口店の4階に並んでいて、かつ6階はよくわからんヲタ専門店になってしまった。時代だな。文庫の在庫は結構多いし、ものにあふれているのはすばらしい。しかし人も増え始めて棚間の移動も難しくなりつつあるため、早々に移動。

 

3店舗目 飯田橋駅東口店
新宿からどうするか迷ったが、まずは東に行くことにした。総武線で亀戸まで行く途中で飯田橋もあり、途中下車。ここは駿台市谷校舎に通っていた時によく行っていた。有楽町線の改札出口からも近くてよい。
1階が映像系、2階がマンガと文庫、3階が大型本と220円単行本という感じで以前通っていた時と並びがまったく変わっていた。文庫本コーナーから①を購入。
そういえば、飯田橋のホームがやけに長くなっていた。延長工事でもしたのであろうか。昔は西口がホームの端っこだったはずが、そこがホームの真ん中くらいになっていて、東口の方がかえって端になっていた。最初到着したとき降りるところを間違えたと思うほど歩かされたのであった。

 

4店舗目 秋葉原駅前店
さて、総武線秋葉原へ。ここも活気のある街である。とはいえ、目的はブックオフのみ。電気街口を出て架線そばにある。ここもビルの1階から5階までと広く、ヲタ街の割には単行本や文庫本が充実しているのは意外であるが、思えば神田神保町に近い影響もあるのかもしれない。ここで②-⑤を購入。文庫本コーナーにモロワの「~史」シリーズが転がっていて、結構当時売れていたのであろうか。新潮文庫の復刊の中では一番よく見かける気がする。他のものもあればよかったのに。

 

5店舗目 上野広小路
このまま東に行ってもよかったが、山手線の東北部にはこの店舗くらいしかなかったと思い寄り道。御徒町も人多し。
この店舗はビルの2階3階でやっていて、店舗に行くのに階段を上がらなければいけないという変な感じ。棚間も結構狭く行き来が大変。あまり見るべきものもなく、人も多いせいもあり、すぐに出る。

 

6店舗目 亀戸駅東口店
東口に出るには階段を降りなければいけないのであるが、これが結構段数もあるし、勾配もきつい(昔作ったせいもあるのでしょうが)。ご老人も大変そうに上り下りしていて、エスカレーターを作ってもよいのではないかと思うような印象。
単行本文庫本は1階のみ。ここで⑥を購入。
亀戸駅を出るときに気づいたが、変わった形状のホームドアであった。初めて見るフォルム。

 

7店舗目 ロッテシティ錦糸町
錦糸町に着くと、改札前に消防服を着た人がたくさんいた。おそらくテルミナ2で消防の立ち入り検査があったのであろう。立ってるだけの人も多いし、なんかパフォーマンスじみている印象であった。改札出て右に行き、こんなところにあるのという感じのビルの3階にある。外に看板もない。
棚間は広く、大型本も置いているが、収穫はなかった。大型本コーナーに気になるものはいくつかあった。伊藤整日記が6巻まで全巻あり。ここまで買っていきなり売るということは通常は考えにくいので、亡くなってしまったから売りに出されたのであろうか。見ていてかなしくなってしまった。吉川幸次郎全集の増補版も端本で何冊か転がっていて、状態はよさそうであった。

 

で、総武快速線に乗って南下。
総武快速線は両国付近から地下に潜っていくわけであるが、馬喰町駅とかいつできたんだろうと気になってしまった。wikiを見てみると1972年開業らしい。思ったより新しいらしい。大昔、鉄道博物館で買ってもらった本に、馬喰町駅が一番低い駅だと載っていたのを見てからずっとそう思っていたが、今はそうでもないらしい。
東京駅は止まる時間が長く感じた。帰省客もどっと入ってきた。停車時間の間に腹が減ったことに気づく。確かに14時過ぎてるもんな。
品川で乗り換えのため下車。快速線のホームは思ったより駅の端であった。エキュートの方に向かっていくうちに、そういや改札内に食べ物屋が何軒かあったなあと思い、昼食を食べることに。ラーメンにしようとしたが、並んでいたためその隣のカレー店へ。味は、普通。食べ終えてから京浜東北線に乗り、蒲田へ。品川からだと、横浜までもそんなに距離は遠くないんだなと意外に感じた。

 

8店舗目 JR蒲田駅東口店
蒲田駅のロータリーを横切り、飲み屋街方面へ。東邦大学の人たちはこの辺で飲んでるんだろうなあ。うらやましい。蒲田行進曲のテーマの雰囲気がぴったりである。その飲み屋通りの突き当りの変な角地のビルにブックオフはある。店舗そのものはまあまあの広さだが、特に気を引くものはなかった。むしろ1階が映像ソフトとゲームに全部振り切っていて、潔いなと思った。店舗ごとに違いがあるから面白いなやっぱり。

 

9店舗目 西友大森店
お隣の大森駅へ。ここも蒲田と同様に駅前のロータリーを横切り、ほどなく歩くと西友に着く。エレベーターで4階へ。ワンフロア丸々ブックオフである。結構な広さで、本以外も色々置いているが、本自体も在庫は豊富。文学系は別立ててコーナーが作られていて、そこに「泡鳴五部作」の上下が並んでいるのを発見し、⑦を購入。しかし広い割には目につくのはそれくらいであった。

 

10店舗目 西五反田
京浜東北線で品川まで戻り、そこから山手線外回りに乗り換えて五反田へ。品川での乗り換えは以前は昨年末に工事が完了して同じホームで対面で乗り換えができるようになって便利である(しかし、昼に京浜東北線快速から山手線への乗り換えは不便になったな。まあでも高輪ゲートウェイで乗り換えればいいのか)。
五反田には南部古書会館があるが、週末ではないのでこの日は古書展はなかった。ここのブックオフは街の影響かビジネス本がとても多い印象である。大昔に行ったときは二階も本であったが、今は服のみになっていて、本は1階のみ。それでも文庫や単行本の在庫は多い方な印象。⑧を購入。

 

11店舗目 代々木駅北口店
渋谷のブックオフは閉店してしまったので、代々木へ。駅を出て右に進み、小田急線の踏切方面に向かうと踏切の手前にある。しかし、ここまでくると疲れてきて段々本棚を見るのも流しみたいになってきた。店内にたいしたものはなかった。
ここで、友人から会おうよという連絡が入り、19時半に代々木に集まることに(よりによって代々木かよ)。タイムリミットができてしまった。しかしまあまだ時間はあるか。

 

12店舗目 大塚駅前店
昔は目白にもブックオフがあった。箱本を置いてくれるところであったので、重宝していたなあ。
17時も回って大塚に着くが、もうすっかり辺りは暗くなっている。ブックオフは都電の線路を越えた先の通り沿いにある。店内に入ってみるとレジ列が単行本コーナーにかかっており、棚列も狭いので始めは見ることができず。二階に行くと、文庫が壁面に並ぶように変わっていた。文庫本には見るものはなく、ちらっとCDを見てみると、布袋寅泰のベスト盤があったのでそれを購入。今年の紅白でさらば青春の光を聞き、スリルや何かも含めて色々聞いてみたいと思っていたところであった。そこで1階に戻るとレジ列の人は減っており、⑨を発見。店内に入った当初は何だかなあと思ったが、何もないところというのはないのであった。

 

さて、ここで行ってないところとなると、池袋に加え、赤羽・十条方面、(JR縛りから外れるけれど)江古田方面、東中野・中野方面があるが、タイムリミット的に全部に行くのは無理。どうしたもんかなあと思い、未見のところよりは行きたいところに行こうと決めた。

 

13店舗目 江古田店
江古田には17時48分に着き、思ったより早かった。ここも古書については扱いが別格で、さすがの品揃えである。ブックオフは物価上昇によるものは除いて、定価以上の値段をつけることは基本ないのであるが、ここと東中野に限っては古書価格のものが置いてあることがある。20%オフだから売れてるだろうなあと思っていた中上健次全集や森茉莉全集は残っていた(誰か買えばいいのに)。古書コーナーから⑩-⑬を購入。スミヤキストは初版(帯はないが)。新潮文庫の復刊も何冊かあった。婦系図は後編が××(今は伏せます)にあるのはわかっているため、ここで上巻を買ってしまうことにした。他に荒木経惟写真全集も端本で何冊か置いているのであるが、揃いで欲しいから見送り。しかし揃いは見つからんのですのよ、ほんとに。

 

14店舗目 池袋サンシャイン60通り
予定まで時間もないので、行けるとしてもあと一店舗くらいか。ここからだと池袋か東中野のどっちかになるが、さて、江古田を18時9分に出るとすれば、池袋着は18時15分くらいか。ということで池袋方面のホームに降りたところで、東中野に行くとなるとどのくらいかかるんだろうと思ってふと調べてみると、練馬経由で大江戸線ね。18時33分に東中野着くのか。そうすると30分は見れるな。あー、やっぱそっちかなぁと思ったところで電車来ちゃったよ。まぁいいか、ということで池袋へ向かう。
池袋は安定であるが、来る人も多く、荒らされた後の印象。⑭のみ買う。やっぱ東中野で締めるべきであった。失敗。

 

そして周遊切符を買った改札口に戻ってこの日は終わったのでありました。
長かったー。

 

総じてみてみると、結局よく買ったとかいいものを見つけたというのは、昔からよく行くところ(江古田、秋葉原)か、大型店舗(大森、池袋)くらいであって、小型店舗はハイリスクハイリターンだなとつくづく思った(ただでさえ本じゃない在庫が増えたせいで面積減っているしね)。
学生時分は足で稼いでいた(当時はよく歩いたものです。浪人時代が特にそうで、市谷→新宿や市谷→新大久保→高田馬場→目白→池袋→大塚→池袋なんてふざけたようなことを本気でやっていたのです。若いってすごい)ことを思い返し、今回やってみて懐かしく思いました。よくやっていたなあと思うが、その反面、もう残された時間も少ないのであるから、もっと有効に使った方がよいのではないかとも反省しました。楽しかったことは楽しかったけれど、何よりも疲れました。もうこんなことはしません。

結局、4日も勤務が延び延びになったせいでブックオフには行けなかったため、20%オフの恩恵を受けられたのは上記のみ。あとはまたゆるゆる通い続けようと思います。おしまい。

 

わたしの推し