備忘録、的なもの

本との日常 購入日記その他

2021.2.22

①いつかソウル・トレインに乗る日まで 高橋源一郎 集英社

五十鈴川の鴨 竹西寛子 幻戯書房

③14歳の君へ 池田晶子 毎日新聞出版

④決められない患者たち 医学書

⑤無名の語り 宮本ふみ 医学書

⑥縁は異なもの 河合隼雄/白洲正子 河出書房新社

狂風記 石川淳 集英社

⑧女人追憶2 冨島健夫 小学館P+Dbooks

⑨厭がらせの年齢 丹羽文雄 新潮文庫

モンテーニュとの対話 荒木昭太郎 春秋社

 

年休を消費しろとのお達しで、今日を休みにして4連休とした。そこで、みなとみらいにある横浜美術館へ行ってきた。というのも、先々週の美の巨人たちでちょうどマグリットの王様の博物館がとりあげられていて、それの展示が今月末までであったためである(3/1から大規模改修で長期休館となるらしい)。

公立三館(横浜美術館、愛知県立美術館、富山県美術館)の展示をまとめた展覧会であった。トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション | 横浜美術館 (yokohama.art.museum) 日時指定制チケットであることもあり、そこまで密にはならなかった。内容は概ね満足。三館の収蔵品を並べるという以外に内容に統一性はないが、三館ともに戦後の近代アートを頑張って集めているということがよくわかった。

自分はシュールレアリスム"系統"の人(マグリット、エルンスト、ピカビア、マッソン)の絵が好きであるが、一見人を喰ったような絵でも、基礎技術はしっかり身についていて、それで裏打ちされているのである。ピカソにしても岡本太郎にしても、いわゆる"まとも"な絵を描いている時期が若い一時期にはあり、その絵も上手い。しかし、そのスタイルに飽き足らず、自分流を探していって独自技法へと進んでいくのである(しかし、それが開花するのはごく一部。今回の展示を見て、亜流の人もやはり多いなと。独自の領域を見いだせるのは本当にごく一部である)。これは絵画だけには限らず、医業にも言える。普段の診察で、基礎技術が身についていなければ見えるものも見えないし、いわゆるsystem1といわれる直観診断も導き出せない。

ミュージアムショップで、以前開催の展覧会の図録が在庫限りで500円均一で売られていたので横山大観展のものを買ってしまった。あと、行こうと思って結局仕事が忙しくて行けなかったNUDE展ヌード展 (artexhibition.jp)の図録もあったので買った。

その帰りに、神奈川県下のブックオフ数軒に寄って上記購入。The chemical brothersのCDも最新作以外はすべて集めることができ、満足。しばらく車の中でヘビーローテーションとなるだろう。

2021.2.14

①老いへの不安 春日武彦 中公文庫

②子どものための哲学対話 永井均 講談社文庫

③つかふ 使用論ノート 鷲田清一 小学館

④慢性臓器障害の診かた、考え方 佐藤健太 中外医学社

統合失調症当事者の症状論 村松太郎編 中外医学社

⑥INTENSIVIST No13.No1 循環器集中治療 MEDSi

室生犀星王朝小説集 岩波文庫

⑧地域外来医・専門医のための心不全診療実践マニュアル 北風政史 メディカ出版

 

この2日間は中部ろうさい病院主催の膠原病スプリングセミナーを受けていた。しかし、内容は結構膠原病やっている人対象でないと難しい印象であった。その中ではJR病院の陶山先生の講演は面白かった。改めて身体所見が重要だということと、原典に当たることの重要性を学んだ。また北島先生の皮疹の講義も面白かった。「皮疹の因数分解・ロジック診断(『皮疹の因数分解・ロジック診断』 | 学研出版サイト (gakken.jp))」自体は持っていたが、結構読むのに難渋していた。今回の講義を聞いて改めて復習しようと思う。

さて、そのついでではないが、本屋に行って購入したのが上記と。

④なかなか類書がない、ということで結構出る前から楽しみにしていた本。さて、どうであろうか。

⑤当事者の声からという切り口の本でこちらも面白い観点である(類書があるのかどうかは、知らない。前に挙げた精神科薬の官能的評価、はその類になるのかな)

⑥うちの病院では集中治療自体はできないが(規模的に)、どういう状態であればさっさと送るべきなのか、またうちでまずはやっておくことは何なのかについて知っておくことは重要である。

2021.2.4/6/7 趣味編

①チャリング・クロス街84番地 へレーン・ハンフ編著 中公文庫

②日本の美を求めて 東山魁夷 講談社学術文庫

明恵上人 白洲正子 講談社文芸文庫

④依存と虐待 斉藤学編 日本評論社

⑤ラケス プラトン 講談社学術文庫

⑥ジャーナリストの生理学 バルザック 講談社学術文庫

⑦世界は善に満ちている 山本芳久 新潮選書

⑧修羅 石川淳 中央公論社

⑨白頭吟 石川淳 中央公論社

⑩天馬賦 石川淳 中央公論社

⑪荒魂 石川淳 新潮社

⑫引越貧乏 色川武大 新潮社

志賀直哉小説選全4巻 岩波書店

梅崎春生作品集全3巻 沖積社

 

今週は業務の方が一筋縄でいかない症例ばかり入院となり、なんだかなあという感じで更新する気力も下がっていた。とはいえ、週末は都心に帰ることもあり、みるべきものもあり、ということで上記を購入したのであった。

①-④, ⑭がブックオフ、⑤-⑦がジュンク堂池袋、⑧-⑬が大泉学園のポラン書房。

⑤⑥ジュンク堂池袋の3階で講談社学術文庫の在庫僅少フェアをやっていて、購入者に読書手帖プレゼントとのことであり、何かないかなあと本棚を探してみると、⑤⑥があった。⑤は岩波文庫には入っておらず未読。⑥も東京創元社から出ていたバルザック全集には未収録で未読。ということでこれを機に購入。肝心の読書手帖自体は版型は文庫本と同じで、見開きで左頁に本のタイトル・購入日や感想が、右頁が完全にフリースペースになっていて、使い勝手はよさそう。かつ、それぞれの見開きに学術文庫の中からの引用も書いてあって、パラパラめくるだけでも楽しい。ちょっとネットで調べてみたが、読書手帖についての記載はほとんどないから完全非売品なんだろう。なんだったらもう一冊欲しいなあ。

⑧-⑬今日がポラン書房の店舗販売の最終日であった。先週日曜に行ってみて、その後で月曜日から3割引きになるとの告知があり、何だったら先週買うかどうか迷った挙句見送った石川淳の本でも買うかと思い、再度行ったのであった。すると、最終日ということもあり店内は混んでいて、密を避けるためにということで店前で少し待機。店前で店主は別れを惜しむ人たちと会話していて、何かの取材か知らないがテレビカメラが回っていた。店内の在庫は減ったのかどうかはわからないが、少なくとも石川淳については先週自分が確認したものについては全部残っていた。そのなかで初版と思しき⑧-⑪を購入。それと本棚の上段に乗っていた⑬も購入。レジでお姉さんに、「石川淳好きなんですか?」と聞かれた。どうやら店が始まったくらいで入荷したが全く動かなかったらしいのであった。まあ、一般的な人気はないだろうからなあ、、、しかし、惹きつける魔力は怖ろしいものがあると思う。「修羅」のカバーはめっちゃかっこいい!

それよりも、コロナ禍での閉業というのが話題になっていて、今回のポラン書房もそのくくりにされそうである。しかし、果たしてそれだけであろうか。なくなるのが惜しいですという人もいたが、果たして普段から購入に訪れていた人たちなのであろうか。むしろ惜しいのであればこのような時にのみ来店するのではなく、日ごろから購入すべきなのではないか。そして、古本という商売柄、もともとの本に魅力的なものがなければ新たな需要は生まれず先細りしていくことは必定である。昔の本でも面白いものはたくさんあるにも関わらず、それを取り上げて拡散するようにしなければ古本業界も厳しいのではないか?本をめぐる状況は今後も厳しいだろうし、今の出版状態が続くとも思えない。いずれは書籍は大部分がデジタルにとって代わられ、本は一部の好事家の手のひらの中にのみということになるだろう。そうなっていくだろう中でいかに面白いものを作るか、また、今までの面白いものを掘り起こして新たな需要を生み出すかが重要だと思う(そんな中で中公文庫がここ最近よく掘り起こして新刊文庫にしていたり小学館からP+Dシリーズでペーパーバック化しているのはいい傾向だと思う) 。自分も買ったもののただの垂れ流しではなく、面白いものを広める、伝えるという風にしていかなくてはいけないな。

まあそれはさておき、ポラン書房さんお疲れさまでした。今日はいい本が買えてよかったです。ありがとうございました。ネット専売になってもまた何か買わせていただきます。

2021.2.4/6/7 業務編

①消化性潰瘍診療ガイドライン2020 南江堂

②時間軸で捉える血算 岡田定 中外医学社

③口の中がわかるビジュアル読本 クインテッセンス出版株式会社

④ABC of 臨床コミュニケーション 羊土社

⑤雑誌 総合診療 Vol.31 No.2 医学書

⑥口腔ケアの基礎知識 日本口腔ケア学会編 末永書店

⑦雑誌 Gノート Vol.7 No.4 羊土社

⑧口から食べる幸せをサポートする包括的スキル 第2版 小山珠美編 医学書

⑨シーネ・ギプス固定の基本 虎の巻 福島成欣編 日本医事新報社

 

まずは業務用。結局直近でであったものとその関連事項関係の本。例によりそのついでに立ち読みで面白かったものが追加となっている。

①胸やけがするという女性のGFを行ったところGERDと萎縮性胃炎があり、おそらくピロリ菌感染もあるんだろうなあということでそれは検査に出したが、ガイドラインが変わって購入を忘れていたため。

②この方の本はわかりやすい。医学書院から出ている「レジデントのための血液診療の鉄則」も面白い。それとは違った切り口の本とのことである。

③⑥⑦⑧歯科関連の熱発・食思不振で入院となった方がいて、とりあえず押せるところまでうちで押すしかない。歯科については自分は素人であるが、周辺にすぐかかれる場所がないのであれば自分である程度の知識は身につけざるをえない。③は「病気がみえる」風でわかりやすい。⑦も③とは違った切り口で基礎知識を解説している。この2冊でとりあえずは何とかなりそう。

 

 

2021.1.31

①ペンギン村に陽は落ちて 高橋源一郎 集英社文庫

②あ・だ・る・と 高橋源一郎 集英社文庫

③官能小説家 高橋源一郎 朝日文庫

④睡蓮の午後 辻邦生 福武文庫

⑤二つの文化と科学革命 C・P・スノー みすず書房

福田恆存翻譯全集2/3 文藝春秋

ヘンリー・ジェイムズ短編選集2 音羽書房

井伏鱒二随聞 河盛好蔵 新潮社

⑨キル 野田秀樹 新潮社

吉行淳之介全集10 新潮社

⑪神々の魅惑 川村二郎 小沢書店

レーモン・クノー伝 ミシェル・レキュルール 水声社

 

①-⑥ポラン書房、⑦-⑫高円寺の古書会館にて。

ポラン書房が店舗販売を終了する旨をtwitterでみたため、行ってみた。こじんまりとした店舗であるが、品ぞろえは多領域各々しっかりある店であった。その中でも文庫のラインナップは素晴らしい。ここ最近の新刊よりは文学系や絶版文庫・岩波などは比較的多めに並んでいる。2/7まで店舗内3割引きであるようであり、興味がある方は是非。

古書会館は今回は投げ売り企画でないため、先週よりは若干まともなラインナップであった。しかし⑫を除いてほとんど400円以内でおさまるというお財布に優しい設定で助かる(ゆえについ緩むのである)。

しかしまあつくづく思ったのが、古本屋での購入は受け身の読書ばっかだなあと。新刊本を買う場合はたいてい目的があって店に行き購入するのが多いわけであるが、古本屋は在庫は一定しないし、何か目的のものを探しに行くよりは、何かあれば買うかなあという目的であることが多い(特に古本市なんかでは)。であるがゆえに、その日のコンディションやら気分次第で余計なものも購入すること多し。受け身の読書の良い点としては、自分が思ってもなかった方向へ連れてってもらえる可能性がある点である。半面、結局自分の興味のある方向しか行かないわけなので非常に視野が狭くなる可能性もある(ん、結局どっちもどっちだな)。

2021.1.26

当直中、自分の勉強でパソコンをいじっていて、結局ネオ・ファウストは読まず。その過程でケアネットを開くと岸田先生のコロナ禍でのかぜの診方|CareNeTVを見るのを忘れていたことに気づく(今は有料会員限定になっているが、先月末は無料公開されていた)。

やはり、コロナ流行下であっても、コロナ以外の鑑別診断を忘れないことが大事である。その中で、不明熱に見える一般的な細菌感染症フレーズ集というのがあって、それは面白いなと思ったので記録しておく。

①CVA叩打痛のない腎盂腎炎

②排尿障害を言ってくれない前立腺炎

③本当に悪寒戦慄だけの胆管炎

④熱源と思っていないちょっと腫れている?歯髄炎

⑤なぜか教えてくれない蜂窩織炎と肛門周囲膿瘍

⑥皮疹に気が付いていないだけのTSS

⑦熱先行の下痢前キャンピロ

⑧腹痛の乏しい高齢者の倦怠感のみの憩室炎(穿孔あり)

⑨痛いと言わない扁桃腺炎

⑩高齢女性の熱のみ?子宮瘤膿腫

⑪外来なのにカテ感染(ポートなど)

なーんだ、こんなものかと思われるかもしれないが、コロナ疑いというワードがついただけで世の人たちの直接診察に対する閾値は上がってしまうのである。普段なら風邪とは区別がはっきりつくようなものでも自ずから境界不鮮明にしてしまう。

コロナと風邪は最初の段階で区別をつけるのは非常に難しいが、コロナっぽいかそうでないかということはある程度区別できなくはない。それっぽくない発熱患者となるとやはり単純にコロナの検査が陰性ですねー、ばいばいと片付けたくはない。ましてや治療が必要な病態が隠れている可能性があるなら。確かに自分も、③④はついこの間経験したばかりであり、上記11項目は身につまされる。しかしそうもいってられるのは、コロナの事前確率が低い田舎での話であり、たくさん診なければいけない都心部では、PPEの着替えなどで一々診察所見なんかとってられないのかもしれないのかもしれない。足元をすくわれないように気を付けましょう。

2021.1.24

①ネオ・ファウスト 手塚治虫 講談社
②医療福祉総合ガイドブック2020年度版 医学書
③私とは何か 池田晶子 講談社
④魂とは何か 池田晶子 トランスビュー
⑤メタフィジカ! 池田晶子 法蔵館
⑥暮らしの哲学 池田晶子 毎日新聞社
⑦日本という身体 加藤典洋 講談社選書メチエ
遠藤周作の研究 実業之日本社
⑨生と死の弁証法 叢書文化の現在9 岩波書店
⑩フランス小説の「探求」 生島遼一 人文書院
⑪医の哲学 池口恵観 紫翠会出版
⑫極論で語る神経内科第2版 河合真 丸善出版
認知症診療のために知っておきたい法制度・法律問題 川畑信也 中外医学社
⑭家族志向のプライマリケア 丸善出版

 

①前回購入した島薗進の本に出てきたことから。明日当直時の課題図書となる。
②こんなの出てたんかという。ソーシャルワーカー用であるようだが、制度について包括的によくまとまっており、社会常識のない医師にも非常に使える! おそらく4月に21年度版がでるだろうが、それまでに知識注入しなければならない。でないとソーシャルワーキングできん。
③-⑪高円寺古書会館の大均一祭にて。今回は3日目のみに行ったため、おそらく残渣しか残ってないだろう程度の期待値で行ったが、思ったほど収穫あり。こないだ家を整理したばっかなのに結局これだというね。まあ100円だしいいでしょう(ということにしておくという自分の甘さのせいであるということにいつまでも乗っかっているという)。
⑩⑪とある大学の除籍本であったが、これを売るほうも売るほうだよなと思う。しかし、あまり読まれた形跡がない(が故に除籍にされたのであろうが)から、こちらが読む分には全く問題なし。むしろ本体の状態的には100円不相応である。

⑪お坊さんが大学で医療倫理について講義したもの。宗教と生命というところは結びつきやすいし、理論で説明つかなくても学ぶところは多い。
⑫極論シリーズはわかりやすいのでおススメである(ただし、循環器・腎臓・消化器に限る。総診、麻酔、睡眠は未読)。しかし神経内科の初版は内容があまりにも薄っぺらかったため、購入は見送っていた。この間改定されたらしく、章が追加になっており、なんとなく全体が概観できるようになっていたため購入。
⑬結局制度的なものについては、これまで半年近くほったらかしにしていたのであったが、先週の出来事により多少本腰をいれてやろうという気にさせられたため、こちらも購入。認知症関連については、今年度でも青年後見制度や消費者被害というところで関りがあった。復習しよう。
ポートフォリオの参考文献でこの本がよく使われているらしい。元本は2005年に出ているもので、ちょっと古いよなあと思ったが、以降改定はされていないようである。英語版を読むのはめんどいので購入。しかし英語についても何とかしないといけないよなあ。今日テレビを見ていて、スタディサプリよさそうに見えたが、どうなんだろう。