備忘録、的なもの

本との日常 購入日記その他

2021.1.26

当直中、自分の勉強でパソコンをいじっていて、結局ネオ・ファウストは読まず。その過程でケアネットを開くと岸田先生のコロナ禍でのかぜの診方|CareNeTVを見るのを忘れていたことに気づく(今は有料会員限定になっているが、先月末は無料公開されていた)。

やはり、コロナ流行下であっても、コロナ以外の鑑別診断を忘れないことが大事である。その中で、不明熱に見える一般的な細菌感染症フレーズ集というのがあって、それは面白いなと思ったので記録しておく。

①CVA叩打痛のない腎盂腎炎

②排尿障害を言ってくれない前立腺炎

③本当に悪寒戦慄だけの胆管炎

④熱源と思っていないちょっと腫れている?歯髄炎

⑤なぜか教えてくれない蜂窩織炎と肛門周囲膿瘍

⑥皮疹に気が付いていないだけのTSS

⑦熱先行の下痢前キャンピロ

⑧腹痛の乏しい高齢者の倦怠感のみの憩室炎(穿孔あり)

⑨痛いと言わない扁桃腺炎

⑩高齢女性の熱のみ?子宮瘤膿腫

⑪外来なのにカテ感染(ポートなど)

なーんだ、こんなものかと思われるかもしれないが、コロナ疑いというワードがついただけで世の人たちの直接診察に対する閾値は上がってしまうのである。普段なら風邪とは区別がはっきりつくようなものでも自ずから境界不鮮明にしてしまう。

コロナと風邪は最初の段階で区別をつけるのは非常に難しいが、コロナっぽいかそうでないかということはある程度区別できなくはない。それっぽくない発熱患者となるとやはり単純にコロナの検査が陰性ですねー、ばいばいと片付けたくはない。ましてや治療が必要な病態が隠れている可能性があるなら。確かに自分も、③④はついこの間経験したばかりであり、上記11項目は身につまされる。しかしそうもいってられるのは、コロナの事前確率が低い田舎での話であり、たくさん診なければいけない都心部では、PPEの着替えなどで一々診察所見なんかとってられないのかもしれないのかもしれない。足元をすくわれないように気を付けましょう。