備忘録、的なもの

本との日常 購入日記その他

総合診療専門医についてのざっくりした理解のためのメモ  

 

過日、プライマリケア学会にて新家庭医療専門医についてのweb説明会があったらしい。自分はそれは知らず、指導医がそれに参加して内容を教えてくれた。その上で、9/20に専攻医向けのweb説明会があるから参加するといいよと言われた。

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というか、自分、なんも知らねえ・・・。専攻医なのに・・・。

確かにこれまで適当に臨床をこなし、それでもってやってきたが、そろそろ専門医のことも考えなければいけない・・・。であるが、専門医のことも、なんも知らねえ・・・。

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さすがにそれはまずいよ! もう2年半経過するんだよ!!

ということで、ちょっと専門医機構のホームページを見て自分のためにまとめてみました。自分は2018年度研修開始なのでそれに準じてますのでそこは悪しからず。

 

まず、総合診療専門医になるにあたって、研修修了は以下の基準を満たすものだそうだ(以下色違い部分は日本専門医機構HPより借用)

 

次の基準により専攻医の専門研修修了判定を行い、日本専門医機構は その結果を確認して修了登録を行う。

1)研修期間を満了し、かつ認定された研修施設で総合診療専門 研修ⅠおよびⅡ各 6ヶ月以上・合計 18ヶ月以上、内科研修 12 ヶ 月以上、小児科研修 3ヶ月以上、救急科研修 3ヶ月以上を行っていること。

2)専攻医自身による自己評価と省察の記録、作成した経験省察 研修録を通じて、到達目標がカリキュラムに定められた基準に到達していること

3)研修手帳に記録された経験目標が全てカリキュラムに定められた基準に到達していること

4)その他、各プログラム毎に定める基準に達していること。

 

 

とりあえず、上の基準を満たせばOKなようだ。

1)はいまのところ、プログラムに乗っかって仕事をこなせばOK

2)については、以下。

3)については、手帳をひたすら埋めていくしかない

4)はよくわからんな(まあ普通にやればいいんだろう)

 

 

2)の具体的内容

*3年間を通じて専攻医の研修状況の進捗を切れ目なく継続的に把握するシステムが重要である。具体的には、研修手帳の記録及び定期的な指導医との振り返りセッションを定期的に実施する。

*常に到達目標を見据えた研修を促すため、経験省察研修録(学習者がある領域に関して最良の学びを得たり、最高の能力を発揮できた症例・事例に関する経験と省察の記録)作成の支援を通じた指導を行う。作成した経験省察研修録の発表会を行う。

なお、経験省察研修録の該当領域については研修目標にある7つの資質・能力に基づいて設定する。

実際の業務に基づいた評価(Workplace-based assessment)として、短縮版臨床評価テスト(Mini-CEX)等を利用した診療場面の直接観察やケースに基づくディスカッション(Case-based discussionを定期的に実施する。また、多職種による 360 度評価などを各ローテーション終了時等、適宜実施する。

年に複数回、他の専攻医との間で相互評価セッションを実施する。

*ローテート研修における生活面も含めた各種サポートや学習の一貫性を担保するために専攻医にメンターを配置し定期的に支援するメンタリングシステムを構築する。メンタリングセッションは数ヶ月に一度程度を保証する。

*以上の、フィードバックの結果については、研修手帳などに過不足なく記録を残す

内科ローテート研修においては、症例登録・評価のため、内科領域で運用する専攻医登録評価システム(Web 版研修手帳,J-OSLER)による登録と評価を行う。12 ヶ月の内科研修の中で、最低 40 例を目安として入院症例を受け持ち、その入院症例(主病名、主担当医)のうち、提出病歴要約として 10 件を登録する。分野別(消化器、循環器、呼吸器など)の登録数に所定の制約はないが、可能な限り幅広い異なる分野からの症例登録を推奨する。病歴要約については、同一症例、同一疾患の登録は避ける。提出された病歴要約の評価は、所定の評価方法により内科の担当指導医が行う。

12 ヶ月の内科研修終了時には、病歴要約評価を含め、技術・技能評価、専攻医の全体評価(多職種評価含む)の評価結果が専攻医登録・評価システムによりまとめられる。その評価結果を内科指導医が確認し、総合診療プログラムの統括責任者に報告する。

専攻医とプログラム統括責任者がその報告に基づいて、研修手帳の研修目標の達成段階を確認した上で、プログラム統括責任者がプログラム全体の評価制度に統合する。

小児科及び救急科のローテート研修においては、基本的に総合診療専門研修の研修手帳を活用しながら各診療科で遭遇するcommon disease をできるかぎり多く経験し、各診療科の指導医からの指導を受ける。

3ヶ月の小児科及び救急科の研修終了時には、各科の研修内容に関連した評価を各科の指導医が実施し、総合診療プログラムの統括責任者に報告することとなる。

専攻医とプログラム統括責任者がその報告に基づいて、研修手帳の研修目標の達成段階を確認した上で、プログラム統括責任者がプログラム全体の評価制度に統合する。

 

 

ということで、研修ついでに書くものとしては

・研修手帳に到達目標を達したかどうかの記載(GRSやJ-GOALへの記載)

・J-OSLERに内科症例登録(少なくとも10症例、かつ、多領域に渡る)

・経験省察研修録(ポートフォリオ)の作成:8本

・短縮版臨床評価テスト(Mini-CEX)等を利用した診療場面の直接観察やケースに基づくディスカッション(Case-based discussion)、多職種による 360 度評価→これらは指導医や看護師さんなどと相談して適宜やる感じで自分からというのではなさそう

・小児科や救急科については、特に何か記載しなければならないというわけではなく、フィードバックを受けなさいということか

 

 

まとめてみると、思ったより大したことないな。

確かに色々制度がぐちゃぐちゃしたうえにわけわからんタイミングで新しいweb版研修手帳(GRS)を始めたりするから批判が出てくるわけで、しかしここまできてみると案外やることはやることでまとまっているわけだ。

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ということに2年経過して気づきました・・・。

これからいろいろ書くのは面倒だけれど、始めようかな。まずはひたすら研修手帳を埋める作業から始めよう・・・。めんどくせ。

 

 

9/20の説明会については、ここで書いてもよさそうな内容だったらまた書いてみることにします。

2020.9.5.6

①高原文庫第14号 中村真一郎

島崎藤村論増補版 三好行雄 筑摩書房

③夢屑 島尾敏雄 講談社

④バーナードショー名作集 白水社

吉行淳之介の研究 実業之日本社

⑥国家とはなにか 江藤淳 文芸春秋

⑦夏小説 荒木経惟 平凡社

⑧田畑文士村 近藤富枝 中公文庫

⑨書物渉歴1 生松敬三 みすず書房

⑩女性と文学の誕生 大岡昇平 新潮社

⑪時代小説礼賛 秋山駿 日本文芸社 

⑫未闘病記 笙野頼子 講談社

⑬会いに行って 静流藤娘紀行 笙野頼子 講談社

⑭ある偽作家の生涯 井上靖 新潮文庫

⑮新岩波講座哲学

 

所沢で彩の国古本祭りが開催されていたので、ということで。

①-⑧が9/5、⑨-⑬が9/6に購入分。⑭⑮は帰りに寄ったブックオフにて。

 

①は軽井沢高原文庫において中村真一郎が亡くなって1年たったところで開催された中村真一郎展によせての特集号。自宅に帰ってそのまま読みふけってしまった。中村真一郎の作家としての態度や傾向につき改めて知り、学ぶところあり。

②は新潮文庫漱石などの注釈でおなじみの方による藤村論。古本祭り会場に「島崎藤村全短編」がおいてあり、結構状態がよかったので購入しようか迷ったが結局それは買わず、となり、それでも藤村のことが頭から離れなかったところでたまたま発見してしまい立ち読みした結果購入。

③70年代の短編をまとめたもののようである。作品集の時期よりは後にあたるのか。持ってないため購入。

ピグマリオンがマイフェアレディーの原作だと知ってはいたが、これまでに読んだことなかったことから購入。調べてみると、バーナード・ショーの戯曲は思ったより翻訳はされていないんだなあ。

講談社から同時期に全集が出ていたが、会社が違うのに装丁をそっくりにしているところが何というかあざとい感じがする。しかし内容は非常に充実している。

⑦小説というタイトルであるが、全て写真で構成されている。平凡社から出ていた写真全集が欲しいのだが、全館揃いで転がっているのを見たことがない・・・。

⑩この人も全集が欲しい一人ではあるが、しかし全集以外でだいたい揃ってきたところもあり、どうしたものか。全集の良い点は網羅できるところであるが、重たくて携帯に向かない上読む集中力も文庫や単行本と比べると落ちる。汚したくない欲もからむ上、高い。どうしても欲しい作家だったら躊躇なく買うが、そうでもなければ迷うところである。単行本は安価で転がっていることが多いので、これも例にもれず結局安かったから買った、と。

大きな会場の古本祭りだとブックオフとは違った品ぞろえで出るので、やはり懐も緩んでしまう。しかし上記のほかで加藤典洋の「アメリカの影」や丹羽文雄の初期短編の文庫が欲しかったのだがそれは見つからず、まあどっかで見つかるだろう。

2020.8.31/9.1.2

①私の1960年代 山本義隆 金曜日

コジコジ1-4 さくらももこ リボンコミックス

③暗黒のメルヘン 澁澤龍彦編 立風書房

④身体をめぐるレッスン3 岩波書店

⑤東京プリズン 赤坂真理 河出文庫

⑥バレエ入門 三浦雅士 新書館

⑦現代宗教意識論 大澤真幸 弘文堂

ラテンアメリカの文学 9,10,18  集英社

集英社版 世界の文学 16, 28

⑩読書論 亀井勝一郎 旺文社文庫

愛の無常について 亀井勝一郎 旺文社文庫

提婆達多 中勘助 岩波文庫

 

とある面接のために都心に戻っていた。しかしその面接の感触は悪い(まあ甘く見て備えをしなかったというところもありますが・・・)。

君はなぜ今の職場にいるのかという問いに対して、奨学金のためであるという以上の回答は持ちえず、しかも面接官と話していて今後の将来について何もビジョンが立っていないということを改めて実感させられ(いや、立てておけよ・・・)、自己嫌悪に陥ったのでありました。面接の翌日は夏休みを与えられていたので、のんびり過ごしましたが、結局悪い感触はそのまま。という背景があっての上記購入です(いや、関連はないか)。

①たまたま本屋をのぞいた時にで平和についてのフェア展示の一冊として並んでいた。筆者は駿台の物理講師で、学生運動に関わっていたと聞いていたが、それについては金輪際書かないという風に聞いていた。立ち読みでその時代のことが書かれているとわかり購入。

②ちょっと前に、BEAMSのシャツが女性蔑視だと話題になっていた。https://www.j-cast.com/2020/08/31393216.html?p=all まあその内容はさておき、twitterでその記事の下にコジコジの一コマをスクショした投稿があった。

タコ「おまえ バカだろ バーーカ」

コジコジ「そうだよ よく知っているね きみは物知りだね」

(コジコジ1巻 第9話 海水浴へ行こう より)

それをみて、何となく哲学的だなと思い、そういうやつなら読んでみるかと購入。しかし実際読んでみると非常にブラックなのであった・・・。4巻まとめて読んだ感想はいずれ書こう・・・。

③-⑫はブックオフにて。これまでに行ったことのないところに遠征してみた結果であるが、品ぞろえからはもう行かないだろうなという感じ。

2020/8/30

①愛人 M・デュラス 河出文庫

モデラート・カンタービレ M・デュラス 河出文庫

③破壊しに、と彼女は言う M・デュラス 河出文庫

④現実性の問題 入不二基義 筑摩書房

⑤世界をわからないものに育てること 加藤典洋 岩波書店

⑥日の沈む国から 加藤典洋 岩波書店

 

その他

⑦あめいろぐ 高齢者医療 丸善出版

不整脈治療薬ファイル 村川裕二 MEDSi

 

ブックオフに行ったところ、まず②③を見つけた。しかし、その後で新刊本屋に行こうとも思っており、レジ袋を現時点で買うのは厄介だ、でも袋なしでいるのもまずいと考え、いったん見送り。新刊本屋に行き、①④-⑥を買い、袋をもらい結局②③も購入。

デュラスはこれまでに読んだことなかった中で転がっていたのと、「愛人」も新刊本屋で転がっていたからいい機会だと思った。④は出たばかりの新刊のようである。⑤⑥は立ち読みついでに購入。百田直樹についての文章が面白い。「感動」という「イデオロギー」。

 

⑦は非常に面白い。これまでにこの分野でまとまっているのは雑誌Hospitalist(MEDSi)の第18巻老年科くらいしか知らないが、それよりも語り口が平易で読みやすいのがいい。

⑧は改訂版が出たのを機に購入。

ヤモリと読書家

インターホンが鳴ったような気がして目が覚める。しかし出てみても誰も出ない。外を覗いてみるも誰もいない。気のせいかと思ったが、ポストをみてみると水道工事の手紙が入っていた。まあそういうことなんだろう。何か寝覚めが悪い・・・。

とはいえ朝にはなっていたため、読書でもということで、読み差しになっていた乗代雄介の「本物の読書家」を読む。午前中いっぱいでそれは読み終わったのだが、ここ最近の新人作家で久々に読み応えのあるものを読んだという感じになった。

そもそも"読書家"という用語そのものが非常に挑発的である。しかし、それに応えるだけの素養は作者にはあるようである。筋はネタバレすると面白さが半減するため、ここでは言及しない。大叔父の恋人が出てきたところで、ピンとくるものがあって自分もニヤッとしてしまったことは認める(そういうのが"読書家"というやつなんでしょう。あらいやらしい)。

以下、思った点をいくつか。

・生前の全集には未収録と"田上"に言わせているが、70年刊行の19巻版の12巻に収録はされている(家にあった35巻版の後付けでもそれは確認した)。まあ、わざとなんでしょうけどね(読書家も間違える)。

・比喩の使い方に変な癖がある。自分は医療関係だからなおさらなのだが、レメディやら毛細血管の使い方が非常に変。しかも、レメディなんてそもそも曖昧模糊なものを比喩に使うと結局何が言いたいのか訳が分からなくなってしまう。

・最後で、主人公は結局大叔父と別れたままになってしまうが、通常そんなことになるものだろうか。現実的でない。かつ、そんなことをしてしまう主人公ではあるが、その場面までに性格があまり掘り下げられてもいないため、非常に不自然に感じた。

と書くとなんだか不出来な小説という印象になってしまうのだが、それを補うだけの発想力である。偽作なのかどうかは実際は知らない(し、そうであったとしても自分はこれからも読み続けるだろう)が、自分には非常に面白く感じた。作者本人のバックグラウンドの読書量の故でしょうな(ブログで実際に読書日録みたいなものをやっているようですしね)。にしても、晩年期の川端は確かに変な小説が多いですね。「みづうみ」しかり、「たんぽぽ」しかり・・・。

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読み終わった後で、飯を食べようとしたところで、台所の隅にカサコソ動く黒い物体を見つけた。ゴキブリかと思って構えていたら、ヤモリであった。どこから入ったのやら。ちょろちょろ動くのをちょうど台所の上にあった6Pチーズの箱に無理やり押し込めて外に逃がしてやった。

調べてみると、ヤモリは基本的にヒトを噛むことはないし、小さい虫やなんかを餌にしているため、どちらかと言えば"益獣"なんだそうなhttps://suumo.jp/journal/2016/07/26/115283/ https://www.env.go.jp/garden/kokyogaien/news/2018/08/post_291.html。しかし、餌となる虫が多い、つまり、ゴキブリが家の中に多いのだろうということの裏返しでもあるようで、そのあと慌ててゴキブリ駆除用の道具を買いに行ったとさ。おしまい。

ここ最近の購入

①論文を正しく読むのはけっこう難しい 上田真一郎 医学書

②基礎から学ぶ楽しい疫学 第4版 中村好一 医学書

③基礎から学ぶ楽しい学会発表・論文執筆 中村好一 医学書

④総合診療 30巻第8号 特集マイナーエマージェンシー門外放出 医学書

⑤みるよむわかる 精神医学入門 医学書

 

以上、ここ最近で買ったものから。

そろそろ専門医の方も考えねばならず、かといってあと1年半あるしなあと思ってJ-OSLERをやる気にも、研修手帳を書く気にもならず、とはいえそろそろやらないと指導医も怒るだろうし、しかしその際に研究をまとめろだの、論文読めだの、まともに読んだことないしどうしたらいいんだということで、むかしは手を出さなかったような論文の読み方だの疫学だの学会発表だのの本を買わねばならんのだ(回りくどいなあ、もう)。何か専門医なんかなくてもいいんじゃないかとも思うが、しかし今の時代、よっぽどすごい人物でない限り専門医以外で自分のステータスを示すすべがない・・・。だから若いうちは別にそんなものなくてもどうにでもなるのだろうが、ある程度年数がたった時に、白い目でみられるのだ。あんなに年数たっているのに、今まで何をやってきたのだろうあの人は!、なんてね。ああいやだ。

とはいえ、総合診療専門医は色々もめているようである。ポートフォリオの型もなんだかよくわからんし、そもそもメールアドレスを変えたら、変更方法がよくわからず、専門医機構からメールが一切届かなくなってしまった。困ったもんだ。というか、重要なことをメールだけでやるっていうのも、そういう時代なのか!?

まあ、それはいい。自分の問題である(きちんと確認してからメールアドレスを変えればいい話であった)。そういうところもあってモチベーションが上がらないのはあるのであろう。何とかせねば(まあしないだろうな)。

④は非常によい特集である。https://www.igaku-shoin.co.jp/journalDetail.do?journal=91771

まあマイナーエマージェンシーで困ったら、医歯薬出版株式会社から出ている「マイナーエマージェンシー 原著第3版https://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731630」を買えばいい話のなのだが、分厚いし、値段も高い(すいません・・・ しかし、それに見合った内容ではあり、お金に余裕のある方はこちらの方を強く勧めます)。そこまで手が出ない、もしくは普段から携行するぶんには④で十分である。買った翌日に陥入爪の人が来てさっそく役に立った。

⑤も立ち読みをしていてついつい購入。https://www.igaku-shoin.co.jp/bookDetail.do?book=81984

医学だけじゃなく文学や芸術一般など多数の挿話があり、引き込まれた。平面的な記述じゃないところがよい。問題は、読み物であるために、時間がなければ読めない点である。買っといての積ん読にならなければいいが・・・。

2020.8.16/17/19

①東京から考える 東浩紀/北田暁大 NHKブックス

ブラックジャックの解釈学 国松淳和 金芳堂

海辺のカフカ 村上春樹 新潮文庫

④在宅無限大 村上靖彦 医学書

風の歌を聴け 村上春樹 講談社文庫

1973年のピンボール 村上春樹 講談社文庫

羊をめぐる冒険 村上春樹 講談社文庫

⑧職業としての小説家 村上春樹 新潮文庫

⑨生の事実 R・D・レイン みすず書房

⑩家族の政治学 R・D・レイン みすず書房

 

結局ブックオフのセール最終日にもう一軒周り、①-③を購入したのであった。

しかし、以前春樹が嫌いな旨を書いているのに、何故③を買ったのか。それは「新・日本文壇史」のせいである。村上春樹は文壇とは縁遠い関係であるはずなのに、最終章が村上春樹であった(おそらく日本文学上どうしても無視できない存在であるためにやむを得ず入れたのであろう)。その中で「羊をめぐる冒険」と「海辺のカフカ」についての解釈が書いてあり、ああそういう風にも読めるんだと思わされた。昔「海辺のカフカ」を読んだ時の読み方は間違っていたのかなあとも思い、ちょうどセールで残っていたこともあり、購入となった。初期三部作については、その翌日に近所の書店で購入。その日のうちに「風の歌を聴け」を読む。

これで読むのは実質三回目(購入したのも三回目である・・・)、今回はようやく大まかに理解できた。まあ、筋はないのである、結局。それがこの小説について理解できない原因でもあったのだが、ようやくそれがわかった。んでもって、ある意味小説についての意思表示でもあるようである、という理解をした。とりあえず今回は三部作を読みきることは可能なようである。しかし、三番目の彼女の自殺のエピソード、さらに「ノルウェイの森」の直子にしろ、こういう”精神的弱者”風な人間が出てくるところが気になる(そういえば鼠も精神病院に入っていたしな)。古井由吉の「杳子」とは違い、やけにリアルな印象を受ける(「杳子」は非常に薄っぺらい精神病者のような印象を受けたため、途中で読むのが馬鹿々々しくなって読了できなかった、いずれまた再読したいが・・・)。こういう当事者だったのかもしれないな、とも思えなくもない(穿った見方でしょうね)。

⑨⑩は別な用事で大型本屋に行った際に在庫僅少で転がっていたもの。

ようやく部屋の掃除もでき、今週末は引きこもっている予定であるからこれまでに溜めていた本を消化する予定である。とはいえ、まだまだたくさん溜まっているなあ・・・。ははは。