備忘録、的なもの

本との日常 購入日記その他

2021.4.17/18

①鴎外と茂吉 加賀乙彦 潮出版社
②息子と恋人 ロレンス 新潮文庫
伊藤整日記2 平凡社
④ペスト カミュ 岩波文庫
⑤平凡 二葉亭四迷 岩波文庫
⑥鮎の歌 立原道造 みすず書房
サラ金の歴史 小島庸平 中公新書
⑧民主主義とは何か 宇野重規 講談社現代新書
伊藤整全集15/23 新潮社
⑩「白樺」派の文学 本田秋五 新潮文庫
⑪火の娘 ネルヴァル 新潮文庫
二葉亭四迷伝 中村光夫 講談社文芸文庫
⑬作品について 篠田一士 筑摩書房
⑭読書三昧 篠田一士 晶文社
⑮批評へ 加藤典洋 弓立社
天皇政治責任 加藤典洋/橋爪大三郎/竹田青嗣 径書房
⑰近代の感情革命 磯田光一 新潮社
⑱文学・この仮面的なもの 磯田光一 勁草書房
ムージル・観念のエロス 古井由吉 岩波書店
⑳冬の道 吉村昭 中公文庫
㉑medicina 4月号 医学書

 

①五反田に行く用事があり、そのついでに南部古書会館に行って購入。南部古書会館に行くのはこれで2回目、か? twitterである方が佐藤春夫全集を購入した旨の記事を見たのを思い出したのであった。今回の展示だけだったかもしれないが、1階部分は雑本多め、2階は各書店のある程度えりすぐりのものといったところか。以前に行った時もそうだったのだが、2階部分の書店のテイストとはまらなければなんだかなあという結論になってしまいかねず、あまり高価なものを狙っていくわけではないため、やはり西部古書会館の方が親近感が沸く。しかし1階部分の雑本はやはり山の手の中ということもあり、中々のものが転がっていたことは転がっていた。
②そこから駅を抜け反対方向に向かうとブックオフがある。2階店舗であり、大昔に行ったときは2階の本のコーナーに圧倒されたものであるが、時代は時代。現在は2階はブランド物やらに転向してしまっていて、本は1階のみ。とはいえ中々の広さではある。
③先月から刊行開始となった日記の第二巻。伊藤礼氏の裏話的な解説も面白い。
④岩波から新訳が出たのを機に読んでみることにした。
⑤⑥近所のブックオフにて。
⑦⑧新刊新書の中から。高田馬場の駅前の学生ローンの看板がなくなったらしいということから周辺事項検索でたまたま引っかかったもの。ネットサーフィンは色々なものがひっかかるから面白い。
⑨-⑲立川フロム古本市にて。twitterにもあげたが、ほとんどの店舗が実店舗がなく、即売会かネットのみとのことである。ということは行くしかない!今回は批評系が結構充実していた印象。今回購入した物はこれまでにあまり古本市で見たことがなかったものであった。
伊藤整全集は今は亡き神保町の古書かんたんむで2/3程度の端本を購入してしてしまったために、いまだに揃っていない。当時はどうせいつかなんとかなるだろうと思っていたが、小説部分はそろったが、評論部分は人気がないせいもあろう、中々見つからず。16, 19, 24巻がまだ。
やはり、本は売れないのであろう。フロムの古本市で聞いた話もそうだが、南部古書会館でも、とある店主が若い店主に、「昔の売れ行きはこんなんじゃなかったんだよ」と力説していた(と同時に、それを傍から聞いていてなんか哀しくなった)。古本というのは結局、誰かが買ったものの二次売買であるから、もともとの新刊がなければ成り立たないし、そもそも新刊本自体が斜陽になりかけている今、古本も危機的状況であることには変わりない。趣味の世界は多岐に及び、別に本にかまける必要はない時代になった。昔は本から情報を得るのが主であったのかもしれないがそれはインターネットにとってかわられ、小説よりはマンガが隆盛し、さて本でないと享受できないものは何なのか、ということになる。本でないとダメだ、という何かが生み出せないと、また、それを盛り上げる周囲が存在しないと、いずれ滅びる。
と、つくづく思ったのであった。自分としてできることはこういうものがありました、面白いっすよ。というくらい。そういうのが思いがけぬ輪を広げてくれれば、何とか火は消えずになっていくのであろう。