備忘録、的なもの

本との日常 購入日記その他

2022.1.22

室生犀星全集1 新潮社
丹羽文雄文学全集10 飢える魂 講談社
③自選 佐藤春夫全集7 河出書房新社

夏目漱石論 蓮實重彦 福武文庫

⑤赤蛙 島木健作 新潮文庫
芭蕉入門 幸田露伴 新潮文庫
⑦ジャム詩集 ジャム 新潮文庫

⑧増補 武田泰淳研究 筑摩書房
⑨文学大概 石川淳 中央公論社
⑩霊薬十二神丹 石川淳 筑摩書房
⑪夷斎筆談(千部限定版) 石川淳 新潮社
⑫夷斎清言(千部限定版) 石川淳 新潮社 

⑬ジェローム神父 サド 平凡社
伊藤整 奥野健男 潮出版社

⑮書物の本 プレッサー 法政大学出版局
⑯蝮のからみあい モーリヤック 新潮文庫
⑰白き処女地 ルイ・エモン 新潮文庫
⑱わが思い出と冒険 コナン・ドイル 新潮文庫

⑲黙阿弥名作選 河竹黙阿弥 新潮文庫
⑳反悲劇 倉橋由美子 新潮文庫

 

 土日どっちも動けそうな態勢であったので(と、当初は思っていたが、何だかんだ色々やらされた)新潮文庫の復刊を探しに行くついでに五反田、神保町、高円寺を回ってしまおうというひどい企画を考え、実行した。

 ①-③まずは実入りが少ない順でと考え、五反田の南部古書会館へ。五反田では一階の均一棚で買うことが多いが、二階の方はあまり興味の引く本がない。高円寺は逆で、会館前の均一棚は興味のないものが多いが、中の方で買う、ということが多い。真逆だな。③はこれまで読んだことのない長編(「この三つのもの」「神々の戯れ」)が入っていたので購入。しかし、最初は箱から本を取り出すことができず、レジ前のおじさんに頑張って開けてもらう。どうやら昔の本は箱がぴったりに作ってあるようで、抜けなくなることがあるようだ。蝋をつけるといいよと言われたが、そんなもの持っていない。
想定した以上に鞄が重くなり、その状態で渋谷乗り換えの半蔵門線で九段下へ。自分は神保町を回るとき、お茶の水から降りるか、九段下から端っこを攻めていくかの二択である。@ワンダーの店先に芹沢光治良著作集が転がっていたが、いずれも内容被りのものばかりであった。

 ④長島書店の均一棚から。

 ④-⑦愛書館中川書房にて。ここは文庫本が多いので何かしらあるだろうと踏んでいってみると、案の定あった。しかし⑥は家に帰ってきて被っていることが発覚し、がっかり。

 ⑧-⑫今回の主目的、田村書店である。閉店というのではないが、店内在庫のセールをやっているという情報を得、行ってみたのであった。ここはどうも近寄りがたい店で、店頭の均一も雑多な並べ方だし、店奥には太った眼鏡のおじさん(すいません、怖かったんです…)が鎮座していて、自分のような一見さんは近寄らせない雰囲気があった。しかし、所狭しと並んでいるセット本の黄色い値札は魅力的で、ここにないセット本はないんじゃないかと思われるほどであり、これまでにも何回か全集揃いを購入させてもらった。ということで何か全集類でもあればいいかと思って店内を見てみるも、黄色い紙がありすぎて何をとればよいのやらという感じであった。棚を見て、福永武彦の限定本「絵のある本」「獨身者」が目につくも、うーん高いな。しかし「絵のある本」は初めて見たなこれは。そんな中⑧を発見する。以前「増補版武田泰淳全集」を買ったことがあるのであるが、別冊三冊なしのものであった。そのため値段は1万円とかなりお値打ちで、ちょうど「富士」を読んで圧倒されたばかりであったので、つい買ってしまった(そういえばこれを買ったときに、郵送じゃなく手で18冊持って帰りますと言うと、澤口書店の店員さんに「こんなに買ってしまって家で何か言われたりしないんですか?」と言われた。言われるからこうやって隠れて持って帰るんです)。どうせすぐ見つかるだろと思っていたが、こういう全集物の別巻というやつほど見つからないものはない(ということに後年気づく)。買ってから10年以上たってようやく売っているのを見つけたのであった。状態はとてもよい。しかし値札はない。あれ? ということで、入り口付近にいる人に聞いてみると「店主に聞いてください」とのことであった。店主に聞いてみても「うーん、そうだなあ。2000円、その半額、やだ?」と言われ、嫌なわけがない。その場で購入。というか、この時に、そうか初版本も安くなるんだったら何か探してみるかということに気づき、棚を色々見た挙句、石川淳の初版本限定版⑨-⑫を購入。確かに自分の好きな作家の初版本を手にするというのはすごい体験である。しかも本の装丁についても何らかの一家言のある人のものであれば別に買ってもいいかと思ったのであった(だから鏡花の初版本も買えればいいのであろうが、とんでもない値段なので無理です)。4冊でとんでもない値段であった。セールじゃなかったら買わなかったであろう。しかし、それを上回る感激があった。やばい、変な沼に入ってしまいそうだ。

 ⑬⑭さて、その興奮冷めやらぬときに高円寺へ行ったが、一番実入りがありそうだと思っていたところで結局収穫はこれだけであった。こういうものなんだな。
その後、帰宅方向で少し寄り道すれば寄れそうな、国立と八王子へ行く。

 ⑮-⑱国立のみちくさ書房にて。こぢんまりしたお店であるが、外国文学が結構いいものがあった。その中で新潮文庫の復刊が何冊か転がっていたので購入。また⑮はラングの「書斎」の姉妹編のようなものらしいため購入。

 ⑲⑳八王子の佐藤書房にて。むしくい堂にも行きたかったが時間的にアウト。以前店内で見つけており購入を見送っていた二冊を購入。レジ付近のラジオでコロナ感染者が過去最多を更新したと聞く。さもありなん、と思って店を出た。