備忘録、的なもの

本との日常 購入日記その他

2021.12.6

①想像力の風景 饗庭孝男 泰流社
②徴用日記その他 石川達三 幻戯書房
③春の夜航 三浦哲郎 講談社文庫

 

最近ルーティンが全く体を成していない。なんだかなあ。と思っていながらの、ルーティンを壊すようなブックオフ通いである。うーむ。
①聞いたことない出版社だと思っていたが、本に挟まっていた折り込みチラシをみると「奥野健男文学論集」を出していた出版社のようであった。
②単行本未収録の作品の集成のようである。
③単行本2冊からの精選集。あとがきに次のようなことが書いてあった。

 私はかねがね、好きな作家の随筆集がなかなか文庫にならないのを不満に思っていた。随筆集の単行本というと、大概高価だし、造本も堅牢で重く、持ち運びに不便である。寝転んで読むと腕が疲れる。けれども、文庫なら、そう高価ではないし、軽くてポケットにも入るから、どこへでも手軽に持ってゆけて、好きなところで頁をひらくことができる。
 もしも好きな作家の随筆集が文庫になったら、出かけるときはいつもポケットに一冊入れて出ようと私は思っていた。一人旅の電車の窓辺で、秋の日ざしを浴びている公園のベンチで、病院の待合室で、何度も切実にそう思ったものだ。
 だから、いま、自分の随筆集の文庫版が出ることが、とても嬉しい。たとえ一と握りでも、この文庫をポケットに入れて豊かな気持ちになってくれる読者がきっといると思いたい。
作者の嬉しい気持ちがしみじみと伝わってきてついつい買ってしまった。随筆に限らず、小説の方もこういう"人のよさ"が滲み出た作品にあふれている。