備忘録、的なもの

本との日常 購入日記その他

2020.7.25

①東大連続講義 歴史学の思考法 岩波書店

②いま 死の意味とは トニー・ウォルター 岩波書店

 

その他実家から回収組

川端康成全集(新潮社)、伊藤整全集(新潮社)、高見順全集(勁草書房) それぞれ数巻ずつ

ルイユから遠く離れて レーモン・クノー 水声社

うつろ舟、犬狼都市 澁澤龍彦 福武文庫

高丘親王航海記 澁澤龍彦 文春文庫

荷風散策-紅茶のあとさき 江藤淳 新潮文庫

オブローモフ ゴンチャロフ 岩波書店

 

この4連休は実家に帰る。実家には学生時代に購入して死蔵しっぱなしの本が多量に置いてあり、帰るたびに自室に籠って本読みということになる。というか、ここ最近で探していたものが結局家の中にあるわけなので、数年前から趣味嗜好はあまり変わっていないことになるのか。今回も、何気なく段ボールの中を探していたら「うつろ舟」を見つける次第で、昔買ったことを本人も忘れているという(始末に負えん・・・)。読みたいものをありったけ車に積み込み帰る。

①②4連休中日に大型本屋にて。

①このような学生講義を本にしてまとめてくれると勉強のしがいがある。東大教養学部からは以前知の技法シリーズが出ており、勉強させていただいた。自分の出身大学は教養系授業が一切なかった(いや、ほんの少しあったか、ほんの少し・・・)こともあり、その反動で学生時代、卒業後もその手の本を手探りで漁っている感じである。東大や地方国立大はどうなのかはわからんが、少なくとも自分の出身大学は単科大であり、極めて内部の人間の偏りがあった。そのため知識だったり世間に対する認識であったりも極めて偏っていたと思う。それでもその世界の中でやっていくだけであれば特に変だと自覚することもなく過ごすことは可能であり、それで特に問題なく過ごせる。しかし、医者の相手にする患者は大多数が世間一般の人間であり、その人たちを相手にするからにはそれに合わせて対応する必要があり、その世界に対して背を向けてやることはできないのである。だからバカバカしいと思いつつも流行を調べたり、でないと世間話についていけないことで「あの先生はねー・・・」ということになりかねない。幅広い知識は総診に関係なく必要である。

②連休中日に死について考えさせられる事件があった(実際に起こったのは去年11月らしいが)。その影響で本屋をぶらついているときに目に入り購入。報道内容については、ネットやらテレビで見た程度しか知らないので言及しない。以下思うこと少し。

・被害者の状況には同情するにあまりあるが、それでも安楽死という手段しか果たしてなかったのか。24時間介護体制が必要であったとのことであるが、周りの人のサポートはどうだったのであろう。医師としてもサポートはできることはなかったのか。

・いかに法整備や安楽死にかかわる条件設定がされていたとしても積極的安楽死については殺人と同義と自分は考える。残されている命をどういう手段であれ縮めることによるのだから。安楽死というワードにすり替えて殺人をごまかしているようにしか思えない。結局は医師が手を汚すことになるのである。医師だって「人」である。「人」を殺める権利なんか持っていない(その点、東北地方の医師についてはどういう意見を持っていたのか聞いてみたいところはある。amazonで出ていたノートについては購入できなくなってしまっており、わからない)。そのような行為に対して心を痛めないわけがない。その点は議論されているのかどうか。

・ということで、自分の立場としては他殺はみとめないが、自殺に対してはいわゆる完全否定ではない。他人に一切迷惑をかけることなく自殺するということについてはある意味個人の究極的な自由であり止めることができないと自分は思っている。しかし、自殺をした周りの人はそれによって影響を与えられ、たいていはいやなつらい思いをすることであろう。皆がよい方に向かうにはどうしていけばよいのか。実地で学びながら考えていく必要がある。答えは死ぬまででないかもしれないが・・・。

・しかし、今回の事件は安楽死・終末期・ACPについて問いを投げかけるような衝撃的な事件であったが、アスペルガー学歴詐称といったいかにも一般の目が飛びつきやすいスキャンダラスな周辺事項が出てきてしまい、そればかりに世間の目が向いて、いつの間にか風化されることになりそうな気配がある。自分は周りに流されないようにして考え続けることにしよう・・・。