備忘録、的なもの

本との日常 購入日記その他

2022.5.8その1 古書ワルツの巻

①日の移ろい 島尾敏雄 中央公論社
②出孤島記 島尾敏雄 冬樹社
③日のちぢまり 島尾敏雄 新潮社
千年の愉楽 中上健次 河出書房新社
⑤フランス文学論 杉捷夫 酣燈社
⑥幼年 大岡昇平 潮出版社
⑦蛇のいた場所 日野啓三 集英社
⑧金の魚 中村真一郎 河出書房新社
⑨夕波帖 小川国夫 幻戯書房
⑩十三妹 武田泰淳 朝日新聞社
⑪秋風秋雨人を愁殺す 武田泰淳 筑摩書房
⑫狂気の価値 西丸四方 朝日選書
⑬異邦人論 中村光夫 創元社
⑭海賊 アシャール 新潮社
⑮ウエー 安部公房 新潮社
⑯愛の眼鏡は色ガラス 安部公房 新潮社
未必の故意 安部公房 新潮社
⑱棒になった男 安部公房 新潮社
⑲探究としての詩 長田弘 晶文社
⑳版画 司修 新潮社

 

二匹目の泥鰌を狙って古書ワルツに間をそんな空けず行ってみたが、石川淳の本はほとんどなし(そりゃそうだ)。しかし、何だかんだ色々見つかってしまうのが悪いところ。
⑨署名入り。でも均一に。やはり人気ないんだなあ。
twitterにも書いたが、吉田健一の多才さを後書きで知るという。怖ろしい才能。
⑮-⑱安部公房の戯曲集が何冊か初版で転がっていた。中を見ると、当時の劇場公演チラシも入っていた。ウエーは今回読んでみて、狂気と正気が入れ替わっていくさまが何とも不気味に描かれていて、恐ろしかった。こういう思考実験系の作品であれば、確かに戯曲の方がやりやすいのかもしれない。小説だと、描写がどうしても即物的になりすぎて、乾いたものになってしまうだろう。それにしても、最初のところでウエーを試すために、水の中に汚物を入れるシーン、実際の公演ではどうしていたのであろうか。考えるだけでもおぞましいが・・・。

2022.5.4/6

①始まりの言葉 古井由吉 岩波書店


①新宿の紀伊国屋書店に行ったときに発見。もう新刊では手に入らないと思っていたが、棚を見まわしてみるものである。改装工事が終わった後でまた行ってみたいなあ。
その他、ブックオフで5/6に何かを買ったらしいが、全く覚えていないという。まあ、記録をつけないと忘れますよそりゃ。昨日の晩御飯ですら覚えていないことも多いのであるから、1か月前のことなんかなおさらですよね。鉄と同様で、熱いうちに処理しなければならない。

2022.5.5 八王子ふたたび、その他

西行・実朝・良寛 上田三四二 角川書店
コンラッド中短編小説集 人文書院
③時の扉 辻邦生 毎日新聞社
④二十世紀の十大小説 篠田一士 新潮文庫
⑤黙示録と牧歌 川村二郎 集英社
⑥兄の左手 徳廣睦子 筑摩書房
⑦エネルギイ 舟橋聖一 文藝春秋
中村真一郎詩集 思潮社
⑨白寿記念 小倉遊亀
⑩藏 智内兄助さし絵集 毎日新聞社
みすず書房旧社屋 潮田登久子 幻戯書房
⑫ミドルマーチ エリオット 講談社文芸文庫

 

八王子古本まつりにて。前回「春琴抄」の初版を買わず、どうしようかもやもやして数日過ごした挙句、結局欲しくなってしまい結局二回目も行くという。しかし「春琴抄」があったはずの店の棚にはすでに「春琴抄」の姿はなく、悔しい思いをした。何故あの時買わなかったのか。本当になくなってしまったのか。会場一周しても見つけることはできず。同じ店に戻ってきてもあるはずはなく。くそう。とはいえ結局別なものを見つけということになったのであるが。

コンラッド篠田一士が推していた作家の一人である。まとめて代表作が読めそうだったので購入。そういえばむしくい堂の店頭で④を見つけたのであった。単行本持ってるのに買うという。まぁ、池内紀の解説も面白いからいいか。その他店頭で田中正造全集、有島武郎全集、志賀直哉全集が転がっていたが、売れたのであろうか…
⑤⑥ダメ押しのまつおか書房にて。八王子の古本屋の中では若干異色であるが、老舗のようでもあり、行けば行ったで何かしら見つかる。今回のように。
⑤見返しに印鑑があったが、100番のやすりを使って気にならない程度に消すことができた。中々のものである。他の方の記事では600番を使っている記載もあった。目が細かい方が消すのは大変でも修正が効きそうである。近所のカインズホームに紙やすりはたくさん種類があったので今度買ってみようと思う。⑥の天のシミ消しとして。
そういやゴールデンウイークなのにブックオフに行くの全く忘れていた。更なるダメ押しで駆け込みで行ってみると、⑫の揃いを見つけ、とてもびっくりした。こういうこともあるんだなあ。ちょうどマクウィニーの本でちらっと出てきたところでもあり、何だか変な運命を感じる。

2022.5.3 古書ワルツ

表現者の夢 饗庭孝男 冬樹社
②反歴史主義の文学 饗庭孝男 河出書房新社
③戦後文学論 饗庭孝男 審美社
④近代の孤独 饗庭孝男 集英社
⑤幻化 梅崎春生 新潮社
⑥雲の行き来 中村真一郎 筑摩書房
⑦小説を考える 菅野昭正 講談社
⑧闇の中の黒い馬 埴谷雄高 河出書房新社
⑨霊薬十二神丹 石川淳 筑摩書房
⑩鷹 石川淳 講談社
⑪虹 石川淳 講談社
⑫珊瑚 石川淳 講談社
⑬落花 石川淳 新潮社
⑭一目見て憎め 石川淳 中央公論社
⑮夷斎俚言 石川淳 文藝春秋
⑯天馬賦 石川淳 中央公論社
⑰東京の三十年 田山花袋 創元選書
⑱私の中の流星群 正・続 草野心平 新潮社
⑲天の湖 高橋たか子 新潮社
⑳華やぐ日 高橋たか子 講談社
㉑没落風景 高橋たか子 河出書房新社
抱擁家族 小島信夫 講談社

 

この日は何となくで荻窪の古書ワルツに行ってみたが、すんげえ収穫で帰りはホクホクであった。というのも、石川淳の本が大量に転がっていたからであった(⑨-⑯)。ダブりもあったが状態よさそうなので別にいいや(いいのかそれで)。これで、持っていないものも戦直後のものと戦前のものくらいになってきた。
その他、饗庭孝男の本も、まとまって転がっていた(①-④)。持っていない評論集が大量に転がっているなと思ってあけてみると、献呈署名のところが黒塗りにされていて、透かして見てみるとどうやら中條忍宛のようであった。中條忍は饗庭孝男青山学院大学での同僚のようである。それ以外は目ぼしい初版本を。店先でかごがいっぱいになってしまったので、奥の方はあまり探索できなかったが、それはそれで別にいいや。

2022.5.2 八王子散策

①セバスチャン 松浦理英子 文藝春秋
②水の流浪 立松和平 講談社
③遠く、苦痛の谷を歩いている時 高橋たか子 講談社
坂口安吾 奥野健男 文春文庫
⑤回想の古田晁 筑摩書房
⑥骰子の7の目 ベルメール 河出書房新社

 

半休を貰えたので仕事が終わり次第すぐに古本まつりをやっている八王子へ。しかしまあやはり、テントの数の割には手を出そうかなぁと思うものがあまりないというか迷うという感じなのですよいつも。うーむ。
そんな中で①②③④を。均一のものばかり。①表紙がね。自分で狙ってこうしているのか、こういう売り方でしかできないと思われていたのか。中々今はやれない表紙である。本人がどう思っていたのか知りたい。
とある書店で「春琴抄」の初版が転がっているのを見つけたが、紐欠で15000円。目録に載っていたもののようなので、状態はほどほど期待できそうであるが、如何せん値段が、、、。と散々迷って今回は見送ることに。
まつりの方の収穫がイマイチであったため、佐藤書房へ。中をざっと見、何だかどうかなあと思っている中で⑤を発見したため購入。番台で石川淳の本がないかと聞いてみると、奥の方へ回され、検索をかけてもらったが「紫苑物語」の限定版しか目ぼしいものはなく、残念であった。しかし、その時の受け答えが気に入ってもらえたのか、店主から興味深い話をいくつか頂戴していただいた(内容は今回書きません)。話していて、やはり楽しんで仕事をやっている人の話は面白いなとつくづく思った。そして探求心もまだあるようで、自分もその姿勢は見習わなければならないと思った。その中で⑥を紹介され、買ってみることにした。確かにこの年代の美術系の本は今から見ても内容も書いている人も結構豪華なラインナップである。このシリーズは今後探してみることにしよう。古本まつりの収穫はイマイチだったが、よい出会いや新しい発見がありとてもよかった。

2022.4.30 やはり高円寺は安定だね

①上海の蛍 武田泰淳 中央公論社
②苺酒 尾崎一雄 新潮社
③止島 小川国夫 講談社
④弱い神 小川国夫 講談社
⑤車の夜 野間宏 東京書房
⑥書くことの秘儀 日野啓三 集英社

⑦作品について 篠田一士 筑摩書房
⑧マーシェンカ ナボコフ 新潮社
⑨新・東海道五十三次 武田泰淳 中央公論社
⑩暇な老人 尾崎一雄 中央公論社

⑪戦う操縦士 サンデクジュペリ 新潮文庫
⑫真昼の海への旅 辻邦生 集英社
⑬風土 福永武彦 新潮社
⑭彼方の美 福永武彦 中央公論社
⑮岬 中上健次 文藝春秋

⑯戦争はいかに終結したか 中公新書
⑰独自成類的人類 永井均 ぷねうま舎
⑱遺稿焼却問題 永井均 ぷねうま舎
⑲腰痛のプライマリケア 文光堂
⑳医療者のためのLGBTQ講座 南江堂

 

今週末も古書展へ。
まずは西部古書会館へ。書心会であった。値段少し高め設定。その中で安価なものを購入。尾崎一雄の署名入り本があったが、値段的に手を出せず。しかし後悔した。
その後、東京古書会館の城北古書展にて⑦-⑩。⑦持っていたのを忘却していた。どこかで捌こう。⑧ロシア語で書いていた初期作品を英語でリライトしているのである。こちらは
谷中で一箱古本市があるんだったと思いそちらへ向かう。しかし、一箱という制約があることと、あまり尖った店主もおらずイマイチ。会場は二か所に分かれており、もう一つに行く選択肢もあったが、並んだ上でこの程度しかないのであればもういいやと思い、谷中を後にした。
一箱が消化不良であったため、結局神保町に戻り、靖国通りをウロウロ。田村書店の店頭で今回も掘り出し物を。⑬は一番最初の省略版である。帯はないが。
最後に東京の丸善に寄り、色々と購入。⑰⑱この方はtwitterで自身の思索を惜しげもなく垂れ流してくれており、まとめて見れるこういう本が出てくれるのはありがたい。どのような応酬をしていたのかもわかるし。